Morimoto Satoshi

臨床試験のオペレーションリーダーを担当しています。具体的には予め計画されたタイムライン、コスト、品質を維持して治験を遂行できるように、治験計画から治験の開始準備、治験の実行及び終了において、国内の臨床試験チームを率いています。
現在オンコロジー領域でグローバル試験を担当していますが、米国本社のカウンターパートと試験を円滑に遂行できるように、交渉を行ったり、日本のインプットを行ったりもしています。また定期的に開催されるグローバルの会議に参加して必要な情報を入手し、日本の開発責任者、プロトコル担当者、薬事、モニターといった日本の試験メンバーに情報共有を行っています。
モニタリングにおいては、GCPや治験実施計画書、社内SOP等の各規定に従って試験を行えるように、CRA(臨床開発モニター)の相談窓口も担っています。多くの臨床試験でモニタリングをCRO(医薬品開発業務受託機関)に外部委託しておりますので、CROのプロジェクトリーダーと協同して、各CRAさんがモニタリング業務を行いやすいようにサポートをしています。
ここまでの内容だと内勤のみのように思いますが、治験を実施頂いている施設に訪問することも多いです。その目的は新規試験を開始する際に、Key Opinion Leader(KOL)から日本で実施する上での妥当性や懸念点、具体的な症例数をお聞きすること、試験開始後は症例組み入れ促進を行うこと、実際に組み入れられた症例のカルテを確認して試験の品質を確認するといったことを行っています。
こうした訪問時に先生や治験スタッフとお話して、現場とのギャップを学び、日本や米国本社のチームメンバーにフィードバックして、より治験を実施しやすい環境にできるように取り組んでいます。

自社の強みや面白さ

What do you think are some of the company's strengths and what do you interesting about the company

MSDは研究開発に重点を置いており、パイプラインを豊富に揃えていることが強みの1つだと考えています。パイプラインには多くの癌腫を含む悪性腫瘍、慢性咳嗽、細菌性感染をはじめとするアンメットメディカルニーズの高い疾患に対する治療薬、肺炎球菌等の予防を目的にしたワクチンといった様々なものがあります。こうした革新的な医薬品、ワクチンを1日も早く患者さんに届けるために、米国本社を中心に、日本を含めて全世界が一丸となって日々の業務に取り組んでいます。どの臨床試験も現在の治療体系を変えうる可能性を秘めており、情熱を持ってプロジェクトチームが団結していることが日々楽しく仕事を行えている要因だと感じています。

難しさや必要な能力

Please explain about some of the challenges you have faced and the capabilities needed for the job
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国内外の社内スタッフや医療機関スタッフといった多くの方と連携して業務を行っていますが、各部署とのコミュニケーション、交渉は面白い点であると同時にチャレンジでもあります。
例えばCRAさんを介して医療機関にお願いをする等、第三者を通じて何かを行って欲しい際に、意図がうまく伝わらず、何度もやり取りが発生することがあります。なるべく相手目線で分かり易く、端的に説明し、複雑な内容は直接会って話したり、電話で話したりと工夫をしていますが、まだまだ改善の余地があるなと考えています。
特に米国本社と交渉をする際は文化や規制、環境も異なるため、結論を簡潔に具体例や結論を支持する根拠を伝えることを心掛けています。
様々な能力があった方が良いと思いますが、英語や交渉を含むコミュニケーション能力、学び続ける継続力、柔軟性、ロジカルシンキング、リーダーシップといった能力は必要と考えています。
学び続ける継続力と柔軟性について少し補足します。
治験環境をより効率的にするために新しいテクノロジーの導入等が進んできており、環境の変化についていくために学び続けることが必要と考えています。また色んな方と働く中で様々な意見を受け入れること、海外で働く同僚の文化や環境の違いを理解して受け入れることを柔軟性として表現しています。

一日の流れ

Please tell us about your normal day routine
一日内勤の日は8時頃に出社し、18~19時頃に退社することが多いです。最初に1日に実施するTo Doを確認してから、夜間に届いた主に米国本社からのメールに対応します。その後、給湯室で自前のコーヒーを入れて、業務のスイッチを入れるのが日課です。
9時からはCRAさんからの質問に答えたり、各部署とコミュニケーションを取ったり、プロジェクトの会議を開催したりとプロジェクト関連の業務をメインに行っていると、あっという間に18時になっています。
出張や外勤は担当試験を実施している全国各地の医療機関を訪問するため、移動時間によって一律ではないですが、都内近郊の医師とのアポイントであれば、現地に1時間前位に到着できるまで内勤を行っています。飛行機や新幹線で移動する場合は、朝から移動して医療機関に近いカフェで内勤やアポイント内容の最終確認を行っています。朝に医療機関に到着する必要がある場合は前日に移動して、早朝に内勤を行って施設に向かっています。

キャリアステップ

Please explain about your career steps

私は入社以来、研究開発本部でオンコロジー領域の臨床試験のオペレーションを担当しています。入社時の4か月程の研修を経て、約3年半CRAとしてがんセンターや大学病院等、重要な施設を担当させて頂きました。主に肺がんを対象にしたグローバル第3相試験と国内第1相試験が担当でした。最終的に承認申請に使用されるデータを集めるのに、先生や治験コーディネーターをはじめとする治験スタッフの方が、どのように治験に協力して下さっているのかを学べたのが1番の経験です。
その後CRO委託試験において、CROをマネジメントする役割に変わり、2年程この役割に専念しました。この役割は施設レベルに焦点を当て、CROのCRAさんが業務を行いやすいように、会議で分かりにくい社内手順を説明したり、日々のモニタリングで発生する質問に答えたりしています。またQuality Control Visit(QCV)と呼ばれる施設訪問で、実際にカルテや治験の重要な文書の確認を行い、必要に応じて改善を行ってもらうことで試験の品質を担保しています。症例組み入れが進んでいない施設に対しては、担当CRAさんと最適なアプローチを考え、必要に応じて同行して症例組み入れのサポートをしています。CRA時代は同じ先生に何回も会って関係を構築できましたが、初対面の先生と面会をするが多いため、面会準備を入念にして1回の面談をより効果的なものにできるよう心掛けています。
2019年5月頃から業務内容に記載したオペレーションリーダーを担当するようになり、入社から6年間で3つの役割を経験させて頂きました。それぞれの役割で求められることが異なり、自身の成長に繋がっていると感じています。

MSDの印象は?

What is your impression of MSD?

人が良い、働き方の自由度が高い、チャレンジできる環境の3つの印象が強いです。
先ず人の面ですが、所属している研究開発本部は話やすい方が多く、管理職の方も含めて相談がしやすく、風通しが良いと感じています。新しい役割を始める時などは特に分からないことが多いですが、経験豊富な先輩方がいつでも相談できる環境を作って下さり、サポートして下さるお陰でスムーズに新しい業務に慣れることができています。
続いて働き方についてですが、私も含めて多くの方が裁量労働制度で勤務しています。裁量労働制では、やるべき業務を期限内に滞りなくやって結果を出していれば良いため、1日の始業、終業休憩のタイミングを自身の裁量で決めることができます。夜に予定がある場合は、いつもより早めに出社して早めに業務を終えるなど、柔軟に働くことができます。また在宅勤務も日数に制限なく取得可能なため、個々の状況に応じて働けて、多くのママさんもご活躍されています。
チャレンジできる環境に関しては、別の設問で後述します。

仕事のやりがいは?

 Please explain about the part of job you feel most rewarding
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治験に参加頂いた患者さんに治験の効果が出て元気に過ごされていることを、治験担当医師や治験コーディネーターからお聞きした時に、この仕事をやっていて本当に良かったと感じます。特に印象的だったのが、固形がんを対象にした第1相試験です。この試験には標準治療を全てやり切り、もう実臨床で治療のない患者さんが参加されました。治療がない中で治験に希望を持って参加された複数の患者さんで、継続的な効果が出て、患者さんが喜ばれていることを先生やコーディネーターさんからお聞きした際は、全ての疲れが吹き飛ぶ位に嬉しかったです。
結果が出るまでに年月はかかりますが、担当試験が成功して、国から承認を受けて患者さんのもとに薬剤を届けられる時は本当に感慨深いです。CRAとして最初に担当した肺がんの試験では、施設の立ち上げから試験が承認されるまでの一連の流れを経験させて頂きました。症例組み入れ時は競合他社試験等、多くのハードルがありとても苦労しましたが、2016年 12月19日に日本肺癌学会の開催中に、効能・効果の一部変更が承認され、学会中にガイドラインが変更されるのを目の当たりにしました。承認と同時にガイドラインが変更される程、先生方が期待されている薬剤を届けることに少しは貢献できてとても感動したのを昨日のことのように覚えています。

人材育成については?

 Tell us about some of the talent development opportunities
provided by the company?


MSDでは自律的にキャリア・成長を行っていくことができます。先ず自身のキャリアや成長を自分で考えることが重要ですが、上司はいつでも相談に乗ってアドバイスを下さり、必要に応じてトレーニング受講等の機会を頂けます。トレーニングはオンラインで受講するもの、外部講師に来てもらう社内の合同研修、社外研修に参加するもの等、色んなトレーニングが用意されています。
また個々の成長を加速させるために、部署移動も積極的に取り入れられており、上司との面談で自身の希望を伝えることができるのも特徴的だと思っています。

チャレンジできる環境?

Is the environment at MSD Challenging?
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MSDはやる気があり、目の前の仕事で結果を出していれば、誰にでも機会を与えてくれる環境です。
国際学会や海外出張の機会に対して、公募が取り入れられているもの多く、一定の英語力を求められるものもありますが、自身が行きたいと思った公募に自由に応募することができます。私は昨年に公募で機会を頂き、世界で一番大きいがんの学会である米国臨床腫瘍学会(ASCO)に参加させて頂きました。多くの新しいデータや世界的な先生の試験の解釈を学ぶことができ、とても刺激的な経験でした。
この経験以上に有意義だったのが、2ヶ月間の米国本社への留学です。オンコロジーのオペレーションの部署への日本からの留学は私が初めてだったのですが、以前から米国本社で働いてみたいという希望を上司と話しており、この機会を頂けたと思っています。この2ヶ月間で、米国本社の多くのシニアマネジメントの方とお話し、多くのことを学べました。更に勉強になったのが、試験の担当者としてアサイン頂き、プロジェクトの運営に関わることができたことです。担当した試験では15か国が参加していますが、各国で発生している個々の問題解決やチーム会議の運営、ベンダーとの打ち合わせ等、実際にどんなことをされているのかを学ぶことができました。この機会を通して日本と米国で働き方が全然違っており、例えば米国ではリモートで働いている方が凄く多く、100人位が招待されている会議で、会議室に10人もいないってこともありました。日本では考えられないでうすよね。またオフィスに来る方も朝7時頃に来て、午後2~3時頃には帰られる方が多かったのも印象的でした。こうした文化の違いを知れたのも大きな経験になっています。

現在の目標、チャレンジしたいこと

Current Goals and things you would like to challenge
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現在担当している試験の結果を予定通りのスケジュールで正しく出すことが1番の目標です。この目標を達成することが、患者さんのもとに1日でも早く新しい治療を届けられることに繋がるからです。
今後チャレンジしたいのは、米国本社で数年間勤務することです。日本からもインプットや交渉はできますが、他国も巻き込んでグローバル試験を動かしていくのは米国本社のため、世界全体を束ねるリーダーとなって、グローバル試験の成功に導いてみたいと考えています。そのためにも、英語やリーダーシップ、プロジェクトマネジメントに関して、業務外でも勉強しています。

入社を決めた理由

 Reasons for joining the company

MSDで働くことで、本当に必要とされる新しい治療を日本の医療現場に届けることができると思い、入社を決めました。当時のMSDはがん領域ではほとんど無名でしたが、昔からがんの患者さんを助けたいと思っていましたので、抗がん剤の開発を進められていた点も魅力に感じました。
また新卒採用プロセスの中で会社説明会があり、自身で能動的にキャリア構築や業務を行えることが自身に合っていそうと思ったのを今でも覚えています。そして先輩社員の方も優しく親切で、働きやすい環境だなと感じていました。実際に入社してからも想像通りの雰囲気、チャレンジできる環境で働けています。

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